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すぐ使える!入院中から退院までの母乳育児支援
昭和大学江東豊洲病院 小児内科 教授 水野克己 編著
昭和大学 小児科 研究生 水野紀子 編著
B5判/112頁/本文全頁カラー
価格:本体2,700円+税
ISBNコード:978-4-287-12104-7
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お母さんと赤ちゃんのために,母乳育児支援のノウハウが詰まった1冊

◎母乳分泌の生理からお母さんとの接し方まで,母乳育児支援に関わるトピックを網羅
◎入院中から退院した後のことまで,お母さんに説明するときにも分かりやすいイラストや写真が満載!
◎助産師や看護師だけでなく,院内図書として,お母さんや家族の学びにも使える

【巻頭言】

 多くの産科施設が積極的に母乳育児支援に取り組まれています。産後早期の母乳育児支援は母乳育児が成功するためにもとても大切なことです。効果的な支援を行うためには,産後すぐからお母さんと赤ちゃんが触れ合い,いつも一緒にいて授乳できるような環境を作ること,母乳分泌の生理や抱き方・含ませ方に関する理解を深めること,母乳育児成功のための10か条の根拠を知ることなど学問的な知識も必要です。知識はたくさん持っていても,お母さんとコミュニケーションが取れなければサポートできません。心の通じ合える関係を築き,退院後の不安を軽減させるノウハウを知る…これだけ知っておけば母乳育児に困難を感じているお母さんたちを効果的にサポートできることでしょう。“知識”は引き出し,“心が通じ合える”は興味を持って引き出しを開けることと同じようなことになります。
 いろんな引き出しを見せて,お母さんに最も適したものを選んでもらうわけですが,医療者の判断が重要なこともあります。産科施設と一言にいっても病棟の構造も違いますし,支援やケアにあたる看護スタッフのみなさんのバックグラウンドも異なります。みなさんが母乳育児を支えたいという気持ちでは一致していても,赤ちゃんの安全性を確保し,お母さんの気持ちも理解しながら支援する方法は違うかもしれません。
 具体的には,母子同室で頻回に授乳できる場合と赤ちゃんは新生児室で預かる場合とでも違うでしょうし,赤ちゃんも経腟分娩で出生した場合と帝王切開で出生した場合でも異なるでしょう。在胎週数や出生体重によってもわたしたちが母乳育児をサポートする際に注意しなければならないポイントは変わってきます。みなさんが病棟内で統一された母乳育児支援を展開していくのに役立つ書籍としてご活用いただけるよう,臨床で第一線でご活躍の先生方に書いていただきました。具体的に,かつ,わかりやすく,産科施設入院中に赤ちゃんの安全を確保しながら,母乳育児を支援するためのノウハウが盛り込まれています。これらの取り組みは,退院後につなげていくことも重要ですし,お母さんの心に寄り添ったサポートを行うには,心が通じ合う関係を作ること,そして産後の女性のメンタルヘルスにも理解を深めていきたいと思います。
編著 水野克己・水野紀子

【目次】

0.母乳育児支援の基礎となる母乳分泌の生理
1.知っておきたい赤ちゃんの個性−赤ちゃんの飲み方にも個性がある
2.人工乳を足したほうがいい?
  a)黄疸
  b)低血糖
  c)生後早期の体重減少
3.後期早産児が可能なかぎりお母さんと一緒にいられるようにするための工夫と注意点
4.うまく飲みとれない赤ちゃんへのアセスメントと介入
5.なかなかうまく飲ませるようにできない母親への支援
6.退院までに家族に伝えておきたいこと
7.母乳育児を支えるために心の通じ合う関係をつくろう
8.退院後のメンタルヘルスをフォローする取り組み