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HEART 13年5月号
Heart 2013年8月号 SOLD OUT

2013年7月16日発売
A4変型判
価格:本体 2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-86024-3
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特集急変する前に見抜く! 循環器疾患患者さんの観察ポイント

企画編集/藤野智子
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 基礎教育・臨床教育ともにシミュレーション教育が主流となった今日,米国循環器協会(AHA)が推奨する一次救命処置(basic life support;BLS)や二次救命処置(advanced life support;ALS)などを受講された方も多いでしょう。
 救急蘇生に限らず,静脈注射や気管吸引などのような「技術」の習得は,患者さんに直接的な害をもたらさない安全な状況で繰り返し行い,体得していくことで成果をもたらします。急変など,対処の時間的猶予がないなかで,速やかに適切な対応ができることは,看護師として求められる重要なスキルのひとつといえます。
 しかし急変の多くは,その瞬間に発生するだけでなく,急変する数時間前から身体症状が発生しているということがすでにわかっています。このような場合は,身体症状をいかにして見過ごさないか,丁寧な観察を継続できるかという看護師自身のモニタリング機能が重要となります。
 そこで今回の特集は,「急変する前に見抜く! 循環器疾患患者さんの観察ポイント」と題し,循環器疾患に特化した急変前〜急変時の症状や対応に焦点を当てました。
 ご存じのように,循環の役割は心臓のポンプ機能により全身の血管へ血液を送り出し,身体のすみずみへ酸素を渡し,二酸化炭素を含んだ血液をまた心臓に戻すという大循環と,心臓内に戻って来た血液を肺に送り酸素化をするという小循環の2つで成り立っています。循環器疾患患者さんの急変は,心臓自体のポンプ機能や弁の障害,血液の通り道である血管の障害が主な要因ですので,この2点に関わる疾患をお示ししています。
 1・2章は総論として,急変の全体像や循環器疾患患者さんに特徴とされる事項を述べています。また3〜7章は各論として,主な疾患の病態変化の理由とどのような急変に陥りやすいのかについて述べています。最後の8章は,やむを得ず急変してしまった場合の対応として,蘇生のプロトコルに触れています。
 循環器疾患患者さんを看護するうえで,必ず知っておきたい急変前のサインと病態変化の理由を理解し,日々の患者観察にお役立ていただければ幸いです。
藤野智子
(聖マリアンナ医科大学病院 看護部師長,急性・重症患者看護専門看護師,集中ケア認定看護師)
特集
1.急変とはどういうこと?/小原秀樹
2.循環器疾患患者さんに特徴的な病態変化とは/郷津亜起
3.虚血性心疾患(急性心筋梗塞・狭心症)患者さんの急変/相良 洋
4.心臓血管術後患者さんの急変/小林礼実
5.急性心不全患者さんの急変/石橋幾久
6.慢性心不全・拡張型心筋症・肥大型心筋症患者さんの急変/小林奈美
7.重症不整脈に移行しやすい不整脈患者さんの急変/吉田友和
8.急変対応のプロトコル/雀地洋平

連載
・読み取るチカラを伸ばします! エコトレ〜心エコー図 読み方トレーニング〜
第11回 「D」の字がみえたら…/正木 充

・循環器ナースのための!ガイドライン読解塾〜ガイドラインを理解し,患者支援に活かす〜
第11回 せん妄の治療指針/山内典子