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WOC Nursing 16年12月号
A4変型判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-73039-3
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特集ストーマケアに役立つ知識の整理と活用
企画編集/前田耕太郎(藤田保健衛生大学 下部消化管外科学講座 教授)
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 ストーマサイトマーキングが2012年に保険収載されて以来,ストーマに関する関心が全国的に高まっています。日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会(JSSCR)の調査でも,保険収載後各病院でのストーマケアに関わる看護師に対する評価は向上し,ストーマサイトマーキングに対する理解や施行率が着実に向上しています。オストメイトになる患者さんの多くは術前,“人工肛門,ストーマ”という言葉は聞いたことがあるけれども見たこともないため,病期や手術に対する不安と同時に,ストーマ造設に対しても術後の生活やケアに対する不安を抱えています。医療者として,このような患者さんに対応していくためには,ストーマケアに対する基本的な全体の流れを確実に把握し,実践する知識と技能が必須です。
 本特集では,まず消化管ケアを行うために必須のストーマに関する基本的な解剖学的知識として,単孔・双孔式ストーマの構造や,合併症の頻度にも関連すると報告されているストーマ造設の経路,腹壁への固定などの知識を,整理してまとめていただきました。ウロストーマに関しても,ウロストーマケアの理解を助けるように,さまざまな構造を,むしろ断面を用いて解説していただきました。ストーマケアに関する術前準備では,必要な項目と,そのために必要な器具,手順,説明など,患者さんの不安をなくすための説明や具体的な手順を概説していただきました。ストーマサイトマーキングはストーマケアのための重要な行為であり,術後の合併症予防や,よりよいケアに必須です。標準的なストーマサイトマーキングのやり方としてこれまでいわれてきた注意点と,実際に現状として何を指標とすべきかについて,さらに難症例に対するストーマサイトマーキングのコツに対しても,具体的な事例を提示して解説していただきました。
 よりよいストーマケアを行うには,よりよいストーマの造設が必須です。よりよいストーマを造設するために,どのような点について注意しているかを,消化器・泌尿器科ストーマ造設法について本領域のエキスパートの先生に執筆をお願いしました。ストーマ合併症には多くのものがありますが,その評価に関しては現在JSSCRでガイドラインを作成中です。ガイドラインに深く関わっている筆者に,日常臨床で困るストーマ術後の合併症の評価や治療について解説していただきました。また,みる機会は少ないけれども重要な小児ストーマの特性,社会生活に深くかかわるストーマケアに関わる社会保障制度に関しても,各領域に精通したリーダーたちに執筆をお願いしました。
 本特集が,これまで学んできたストーマに関する知識の整理と活用に役立ち,オストメイトのよりよいQOLに貢献することを期待します。
前田耕太郎
藤田保健衛生大学 下部消化管外科学講座 教授
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ストーマ構造の理解(消化管)/小杉千弘,幸田圭史,平野敦史,栃木 透
ストーマ構造の理解(泌尿器)/後藤百万
術前準備〜患者の気持ちを置き去りにせず,効率的におこなうために〜/青木和惠,古川真里奈
標準的なストーマサイトマーキングの指標/熊谷英子
難症例に対するストーマサイトマーキング/山本由利子
よりよい消化管ストーマの造設法/板橋道朗,小川真平,山本雅一
よりよい尿路ストーマの造設法/井川靖彦
ストーマ合併症をいかに評価し治療するか/舟山裕士,鈴木秀幸,高橋賢一,熊谷英子
ストーマ周囲皮膚障害をいかに評価し治療するか/工藤礼子,南 由起子
成人医療へつながる小児ストーマ保有者の特性と移行医療の課題/石川眞里子
ストーマケアに関わる社会保障制度/小林和世
〔お知らせ〕
快適な排尿をめざすセミナー〜間歇導尿指導認定セミナー 初級〜
第36回 日本看護科学学会学術集会