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WOC Nursing 14年6月号
A4変型判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-73009-6
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特集がん患者のW・O・Cケア〜躍動する皮膚・排泄ケア〜
企画編集/青木和惠
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 がんという病気には,診断から治癒あるいは終焉までに年単位の経過があります。治癒したとしても,あるいは治癒は難しいと判断された場合でも,長期にわたり経過を追跡していく必要があります。経過と結果をある程度予測できるために,患者は治癒,再発,転移,進行などの状況に備えて多くの決断を行い,これを実行します。必然的にがん医療のスパンは長く,その医療実践の内容も,患者の時期や状態によって,つまり患者のがんのプロセスによってさまざまです。今回の特集「がん患者のW・O・Cケア」では,がん医療の治療期から終末期までに展開される実践的で,さまざまな形に変化したW・O・Cケアを紹介します。
 治療期のW・O・Cケアでは,化学療法,放射線療法,造血幹細胞移植の有害事象である皮膚症状への対応を取り上げました。化学療法では最近目覚ましく発展した分子標的薬による新しい形の皮膚障害とその対応について,放射線療法では現時点での最良の対応について,造血幹細胞移植では非常に専門性の高い皮膚GVHDのケアについて解説します。また同じく治療期の外科療法として,W・O・Cケアの原点でもある人工肛門造設術や,膀胱全的術,前立腺全的術によるスタンダードで,かつさまざまな種類のストーマケアや失禁ケアについて解説します。
 進行期W・O・Cケアでは,褥瘡,瘻孔,ストーマ合併症,表出がんを取り上げました。褥瘡ケアは,高機能やハイブリッドなどのマットの登場で新しい時代を迎えようとしています。また究極のストーマケアである瘻孔ケアとストーマ合併症のケアは,進行期,終末期の不変で普遍な課題です。そしてこれまで解決困難であった皮膚表出がんについては,注目されている新しい方法や材料によるケアをお伝えします。
 W・O・Cケアはがん患者にとって,治療を乗りきるために,治療後の新しい身体条件で社会適応を果たすために,そして人生の終焉を充実して生き抜くために,必要不可欠なケアとなりました。W・O・Cケアはそのドラマティックとも言えるがん患者のプロセスにDynamicに働きかけています。躍動的に変容するDynamicなW・O・Cケアの緻密さ,柔軟さ,大胆さを学び,そして皆さまの臨床実践につなげていただければ,編集者としてこんなにうれしいことはありません。
青木和惠
静岡県立静岡がんセンター 副院長,皮膚・排泄ケア認定看護師
特集
1.がん患者の“Dynamic W・O・Cケア 2014”〜躍動する皮膚・排泄ケア〜/青木和惠
2.がん化学療法による皮膚障害〜分子標的抗がん剤(EGFR阻害薬)を中心に〜/清原祥夫
3.がん化学療法による皮膚障害コントロールのためのセルフケア支援/ 小又美重子
4.放射線性皮膚炎とその対応/遠藤貴子
5.直腸切除・切断術によるストーマのケア/工藤礼子
6.膀胱全摘術の尿路変更(回腸導管,新膀胱)のケア/安達淑子
7.前立腺がん術後の尿失禁ケア/谷口珠実
8.皮膚GVHDのケア/赤川順子
9.皮膚に表出したがん性創傷のケア/森岡直子
10.がん終末期の褥瘡ケア/北川智美
11.がん終末期のストーマ・瘻孔ケア/大川瑞江