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月刊糖尿病 148号
月刊糖尿病150号(Vol.15 No.3 2023)

A4変型判/80頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-82147-3

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特集●認知症予防を考慮した糖尿病の治療

企画編集/荒木 厚

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 糖尿病の治療では合併症の予防のみならず,糖尿病で多い併存疾患の対策を講じることが重要となってきている.認知症は疫学研究によって近年増加していることが明らかになった糖尿病の併存症の1つである.また,軽度認知障害の段階の認知機能障害も高齢者糖尿病できたしやすい老年症候群の1つである.これらには糖尿病の病態であるインスリン分泌不全・抵抗性,高血糖,低血糖などが関与するとされている.
 こうした糖尿病における認知症・認知機能障害をどのようにスクリーニングし,MRIなどの画像も含めて診断し,また,どのように予防・治療していくかは高齢者糖尿病の診療において必要なスキルとなりつつある.さらに,糖尿病における認知症を防ぐためにはどのような食事療法,運動療法,薬物療法をすべきか,これらの多因子介入は有効かなどについて活発に議論や研究の対象となっている.
 糖尿病に認知症や認知機能障害が合併すると,糖尿病のセルフケアである食事・運動,服薬,注射が困難になり,社会サポートを確保する必要がある.そのためには治療を単純化し,サポートを受けやすいような環境作りが大切となる.
 研究においても動物モデルによる認知症発症機序や新しい治療薬の開発が試みられている.
 本特集では,この領域の診療や研究において我が国の最前線にいる先生方にご執筆いただき,「糖尿病と認知症」における集大成としてまとめることができた.この分野における知識を深め,臨床に活かしていただけば幸いである.

荒木 厚
(東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科)

Ⅰ-1.糖尿病と認知症の疫学:久山町研究/三野原敏文,小原知之,二宮利治
Ⅰ-2.糖尿病と認知症/梅垣宏行
Ⅰ-3.糖尿病における認知症の危険因子/田村嘉章
Ⅰ-4.糖尿病における認知機能障害のスクリーニング/赤坂 憲
Ⅰ-5.糖尿病網膜症と認知機能障害,認知症/勝俣 悠,千葉優子,池上靖子,荒木 厚
Ⅰ-6.糖尿病における認知機能障害の画像:PET/石井賢二
Ⅱ-1.食事療法と糖尿病/府川則子,荒木 厚
Ⅱ-2.多因子介入による認知症予防:社会サポートも含めて/杉本大貴,櫻井 孝
Ⅱ-3.多職種連携による在宅糖尿病患者のケア/齋藤 透,野村和至
Ⅱ-4.未来の治療薬開発/大八木保政