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月刊糖尿病 145号
月刊糖尿病145号(Vol.14 No.5 2022)

A4変型判/96頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-82142-8

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特集●糖尿病治療 次の一手を考える

企画編集/下野 大

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 「次の一手を考える」.日々の糖尿病診療のなかで,患者のおかれている状況を少しでもよくするために,新たなストラテジーを考える必要性に迫られることはよくあるのではないだろうか.たとえば,目の前の患者について血糖コントロールをよくするためにどうしたらよいだろうか,何か続けやすい食事の工夫や運動はないだろうか,きちんとコミュニケーションをはかれているだろうか,使用している薬剤は適切だろうか,患者のQOLを向上するために何か工夫ができないだろうか,私たちは日ごろからたびたび自問している.そしてその際に,次の一手が遅れてしまうClinical Inertiaを避ける努力も必要である.
 昨今,新型コロナウイルス感染症対策のため,生活をとりまく環境は大きく変化した.これまでの食事療法や運動療法が継続できなくなったり,生活における糖尿病治療のプライオリティ(優先順位)や心理的背景が変わってしまったりしている場合も多く見受けられる.このような変化をとらえるためには,診療のなかでしっかりと傾聴すること,対話をすることが大事である.生活環境が変わったとしても,その状況にあった治療法を提案できるかもしれない.本特集では,継続できる食事療法や運動療法,そして患者とのコミュニケーションにおいて大事なコーチングについてエクスパートの先生方に解説いただいている.
 また,糖尿病の薬物療法(薬剤の種類やデバイスなど)が進歩したことによって,目標とする血糖コントロールを達成することは以前よりやりやすくなったと考えられる.しかし,薬物療法をうまく活用するためには,適切なタイミングで適切な治療を行うことも重要である.薬物療法のなかでも比較的新しい知見が得られている,または薬剤や投与方法に工夫がなされ臨床的有用性が期待される,DPP-4阻害薬,SGLT2阻害薬,GLP-1受容体作動薬,そしてインスリン治療について詳しく解説いただいた.これから薬物療法を選択する際,ぜひ参考にしていただきたい.
 『糖尿病治療ガイド2022-2023』(日本糖尿病学会編著)において,糖尿病治療の目標は「糖尿病のない人と変わらない寿命とQOL」の達成であるとされている.この目標を達成するためには,高齢化などで増加する併存症の予防・管理を行い,社会的不利益がないような取り組みを行うことも重要である.
 本特集では糖尿病診療における地域医療やアドボカシー活動について経験豊かな先生方に解説いただいている.診察室や一医療機関を超え,糖尿病治療の目標を達成するための活動につなげていただければと思う.
 本特集を日常の糖尿病診療における「次の一手を考える」際の一助にしていただけると幸いである.


下野 大
(二田哲博クリニック姪浜 院長)

1.糖尿病治療におけるClinical inertiaとReverse Clinical Inertiaを考える/佐藤秀一
2.コロナが生活を変えた.管理栄養士が今すべきこと,とはなにか/小園亜由美
3.実践できる,継続できる,運動療法/松田拓朗
4.コーチングで目標を達成する/松本一成
5.広がった,糖尿病薬物療法の選択肢/下野 大
6.DPP-4阻害薬の臨床的有用性/寺脇悠一
7.SGLT2阻害薬の臨床的有用性/煖エ佳大,藤澤太郎,矢部 大介
8.GLP-1受容体作動薬の臨床的有用性/窪田紗希,丸山貴子, 山田浩司, 矢部大介
9.インスリン治療の進歩/澤木秀明
10.次の一手としての病診連携/赤司朋之
11.ハッピーライフwith糖尿病〜スティグマとアドボカシーを考える〜/野見山崇


 訂正文
 『月刊糖尿病』通巻145号(第14巻第5号)において,
 以下の箇所に誤記がありましたので,お詫びして訂正いたします。

 本誌)p49 図4.DPP-4阻害薬の酸化ストレスへの影響
 (正)
月刊糖尿病 145号 6章図4
 pdfはこちら

 本誌)p50 図6.糖尿病マウスにおけるDPP-4阻害薬およびSGTL2阻害薬の新生内膜抑制効果
 (正)
月刊糖尿病 145号 6章図4
 pdfはこちら

 著者の寺脇悠一先生をはじめ多くの方々にご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。


 本誌)p84 野見山崇先生のご所属
 (正)順天堂大学医学部附属静岡病院 糖尿病・内分泌内科 教授
 (誤)国際医療福祉大学静岡病院 糖尿病・内分泌内科 教授

 本誌)p91 野見山崇先生のProfile
 (正)2022年 順天堂大学医学部附属静岡病院 糖尿病・内分泌内科 教授,現在に至る
 (誤)2022年 国際医療福祉大学静岡病院 糖尿病・内分泌内科 教授,現在に至る

 野見山崇先生,順天堂大学医学部附属静岡病院の関係者の皆様,国際医療福祉大学の関係者の皆様を
 はじめ,多くの方々にご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。