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月刊糖尿病 126号
月刊糖尿病138号(Vol.13 No.10 2021)

A4変型判/96頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-82135-0

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特集●糖尿病診療における臨床検査

企画編集/佐藤麻子

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 我が国における糖尿病人口はいまだ増加の一途をたどり,すべての診療科の日常診療で頻回に遭遇する疾患となっている.糖尿病はその病域が広く,初期の高血糖から,長期の罹病期間を経て腎不全,大血管症などの合併症や併存疾患を発症したさまざまな病態を呈する.また,糖尿病患者の大多数を占める2型糖尿病は,その特徴の1つとして,重症化するまで自覚症状が乏しいことが挙げられ,積極的な検査による病態の把握が必要になる.
 臨床検査は,疾患の診断そして治療の効果判定に用いられ,医療の根幹をなす重要なものである.糖尿病診療に関連する臨床検査としては,糖尿病の成因と病態に関わる検査,糖尿病の診断のための検査,治療経過をみるための血糖コントロール指標,合併症(細小血管症,大血管症)を診断するための検査などが挙げられ,各々の糖尿病患者の病期や病態に応じた適切な検査を選択し,施行する必要がある.
 本特集では,「糖尿病診療における臨床検査」と題し,いつ,どのような検査が必要か,その検査でどのようなことがわかるのか,を糖尿病を専門としていない医師や看護師にもわかりやすく解説することを目指した.内容は,基本的な事項が中心であるが,最新の知見もわかりやすく紹介されている.糖尿病診療の基礎的知識の習得や確認のために網羅的に読んでいただくもよし,目の前の患者の病態に特化した部分を読んで診療に役立ていただくもよし.いずれの場合も,日常診療において糖尿病に関する臨床検査を有効に活用し,ひいては糖尿病の合併症に苦しむ患者が一人でも少なくなるために,本書が少しでもお役に立てば幸甚である.
 なお,本誌の出版にあたり,臨床の第一線で活躍されている多くの先生方に,ご多忙のなかご執筆いただいたことを,この場を借りて厚く御礼申し上げる.

佐藤麻子
(東京女子医科大学 臨床検査科 教授)

【Ⅰ 糖尿病成因と病態にかかわる検査】
1. インスリン分泌〜IRI,Cペプチドの説明と測定の意義について〜/田口昭彦,谷澤幸生
2. インスリン抵抗性/仲村武裕,益崎裕章
3. グルカゴン・GLP-1/小須田 南,石原寿光
【Ⅱ 糖尿病の病型分類】
1. 糖尿病の診断フロー・境界型の判定と意義/二木寛之,岩部真人,岩部美紀,山内敏正
2. 1型糖尿病/及川洋一,島田 朗
3. 単一の遺伝子で起こる糖尿病〜インスリン作用にかかわる遺伝子異常を中心に〜
  /高吉倫史,廣田勇士,小川 渉
4. 妊娠糖尿病/嶋田真弓,和栗雅子
【Ⅲ 血糖コントロール】
1. 血糖コントロール指標/杉山和俊,目黒 周
2. 血糖モニタリング〜CGMの適応と結果の解釈,問題点,SMBG指導で注意すべきこと〜
  /菅沼由佳,髙橋 紘,西村理明
【Ⅳ 合併症検査】
1. 糖尿病ケトアシドーシス/川村良一,大澤春彦
2. 神経障害/加瀬正人,麻生好正
3. 網膜症〜網膜症の分類,検査時期〜/北野滋彦
4. 糖尿病性腎症の検査/守屋達美
5. 糖尿病診療における血管障害評価検査/冨山博史