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月刊糖尿病 126号
月刊糖尿病132号(Vol.13 No.4 2021)

A4変型判/96頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-82129-9

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特集●チーム医療による糖尿病患者の支援〜これまでとこれから〜

企画編集/浜野久美子

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 今日の医療における「チーム医療」の意義は改めて言うまでもない.良質・安全さらに効率的な医療の提供には,さまざまな専門技能をもった多職種のスタッフの参画・協調が必要とされる.糖尿病は,いかに時代が進もうとも患者自身の理解に基づいた日々の療養の実践が治療の成否にかかわる領域である.多岐にわたる自己管理を長期間にわたって継続するためは,心理的なサポートを含めた支援が一生涯を通して必要であろう.これを医師ひとりで担うのは不可能である.また,糖尿病患者は合併症・併存症の予防や治療のために多数の診療科の受診を必要とする.異なる診療科・医療機関の連携も必要であり,この場合にも広い意味でのチーム医療がキーとなる.高齢者糖尿病患者の増加もあり,個々の患者のライフステージに応じて,病院や診療所から在宅診療,介護施設などへと支援の場も変遷するため,地域連携,介護福祉行政との連携も必要となる.2000年発足の日本糖尿病療養指導士機構は,20年間に2万人にものぼるCDEJ(日本糖尿病療養指導士)を輩出し,チーム医療のエキスパートとしての機能が期待される.
 さて,ここまではチーム医療の理想,光の部分を述べてきたが,病院の機能分化が推進され,多忙を極める医療現場では理想のチーム医療が円滑に機能しない場合も多々ある.たとえば,チーム医療の最終責任者は我が国では医師とされるが,医師の交代,異動などに際してチーム医療の継承は問題ないか?医師の診療行為に対してチームはものいえる存在であるか?CDEJの更新率は高くないとも聞いているが,熱意ある専門職がその資格,専門性を活かせる職場に配属されているか?
 教育入院のスタイルも,20年前は長期間入院をして同病の患者と共通体験をし,チームによる分担講義を受けることが主流であったが,診療報酬の低い教育入院については経営側の理解が得られない,などチーム医療の影の部分も少なからずある.
 この特集ではチーム医療の実践において実績のある施設を選ばせていただき,施設ならではの特徴,セールスポイントを述べていただく一方で,注意点,失敗事例,他職種にちょっと本音で言いたいひとことなども具体的に挙げていただくこととした.
 これからチーム医療を構築していく医療スタッフに限らず,すでにチーム医療を実践している方には従来の療養指導の手法がマンネリ化せず,一歩先にブラッシュアップするためのアドバイスが得られる特集となれば幸いである.

浜野久美子
(関東労災病院 糖尿病内分泌内科)




I. 総論
 チーム医療のこれから/瀬戸奈津子,村内千代
II. 専門職の立場から
 1. 管理栄養士/吉井雅恵
 2. 理学療法士/浅田史成
 3. 心理職(公認心理師・臨床心理士)/花村温子
 4. 薬剤師/稲野 寛,厚田幸一郎
 5. 臨床検査技師/成田和希
III. 専門外来の創設について
 1. 糖尿病透析予防外来/安田浩一朗,藤井淳子,川崎直美,上田真澄
 2. フットケア外来/愛甲美穂
IV. 他科との連携におけるチーム医療の果たす役割
 1. 歯科の立場から糖尿病チームに対して望むこと/平田貴久,両角俊哉,栗林伸一,三辺正人
 2. 眼科の立場から糖尿病チームに対して望むこと/小林 博
 3. 産科の立場から糖尿病チームに対して望むこと/谷垣伸治,近藤琢磨,對馬可菜,
  小林庸子,竹森 聖,北村亜也,小林千絵,田嶋 敦,下田ゆかり,中村未生,関田真由美,
  近藤由理香,安田和基,小林陽一

 4. クリニックでのチーム医療/戸谷理英子
 5. 地域連携/谷合久憲