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月刊糖尿病 16年4月号
月刊糖尿病2016年6月号

2016年5月20日発売
A4変型判/112頁
価格:本体2,700円+税
ISBNコード:978-4-287-82084-1
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特集●膵島再生
−膵臓・膵島移植からiPS細胞を用いた膵再生と

               他の臓器の再生医療まで−

企画編集/長船健二
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 近年,機能不全に陥った臓器に対して健康な細胞や組織を補充することにより機能回復を図る再生医療が注目を集めている.とりわけ,ヒトES細胞の使用にかかわる拒絶反応と倫理問題を解決可能としたiPS細胞の登場によって,再生医学研究が加速した.そして,2014年秋には,本邦において世界初のiPS細胞を用いた臨床研究である加齢黄斑変性症患者に対するiPS細胞由来網膜色素上皮細胞シートの移植が行われた.従来の提供臓器の移植に加え,幹細胞より作製した細胞や組織を移植することによって,臓器移植のドナー不足の問題を解決することやこれまで有効な治療法がなかった疾患に対する新しい移植治療が開発されようとしている.また,国家成長戦略においてもiPS細胞を用いた再生医療が重点分野として掲げられ社会的にも大きな期待を集めている.
 このような再生医療の開発に向けて世の中が急速に進んでいる状況のなか,本特集では,「膵島再生 −膵臓・膵島移植からiPS細胞を用いた膵再生と他の臓器の再生医療まで−」のテーマにて,とくに1型糖尿病に対して確立された移植療法である膵臓移植と膵島移植に加え,そのドナー組織不足の解決を目指したiPS細胞からの移植用膵組織の作製の現状と展望を述べていただいた.さらに,本邦においてこれから数年内に臨床研究が開始される見込みのあるiPS細胞を用いた再生医療の最前線について網羅すべく,同研究領域をリードする本邦の研究者に玉稿を執筆いただいた.
 本特集は,糖尿病に対する再生医療のみならず,2016年時点における再生医学研究のスタンダードとして読者の皆様の知識の整理に役立つものになると期待している.
長船健二
(京都大学 iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 教授)
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膵臓移植の現状と展望/剣持 敬
膵島移植の現状と展望/松本慎一
iPS細胞を用いた糖尿病に対する再生医療開発/天久朝廷・豊田太郎・長船健二
重症心不全に対する心筋再生治療/澤 芳樹
iPS細胞由来再生心筋細胞の移植による重症心不全治療法の開発/中嶋一晶・福田恵一
iPS細胞を用いたパーキンソン病に対する再生医療開発/元野 誠・高橋 淳
iPS細胞を用いた網膜疾患に対する再生医療開発/杉田 直
iPS細胞を用いた角膜上皮の再生/林 竜平・西田幸二
iPS細胞由来神経幹細胞を用いた脊髄再生医療の開発/名越慈人・中村雅也
iPS細胞由来血小板・赤血球製剤開発に向けた取り組み/橋本一哉・江藤浩之
iPS細胞を用いた軟骨疾患に対する再生医療開発/山下晃弘・妻木範行
iPS細胞技術を用いたがん抗原特異的T細胞のクローニングと再生/河本 宏・増田喬子