HOME看護セミナー >イチから学ぶ“循環器看護”―心臓血管外科の術前術後看護の基礎―
 循環器の看護には,循環動態や不整脈,基礎的な心臓の解剖生理や生体侵襲の理解も必要です。さらに,心臓血管外科手術は生命維持に必要な心臓に手を加えるため,専門的な知識が不可欠です。看護師には身体的・精神的側面を踏まえた術前の準備や術後管理が求められますが,循環器看護の基礎固めをまずはしっかりしなければ,患者の個別性にあったケアを提供できません。
 本セミナーは,「循環動態とフィジカルアセスメント」,「不整脈」,「急性循環不全」,「生体侵襲」,「循環器疾患各論」などに分け,なるべく基礎的な部分に焦点を当ててポイント解説します。例えば,心臓には3つの大事な血管(冠動脈)がありますが,どこの血管が詰まっているか理解していれば,バイパス手術前に注意すべき脈や不整脈はおのずと分かります。しかし,そのためには,冠動脈の解剖だけでなく,正常洞調律って何?不整脈って何?がわかっていなければなりません。このようなポイントを「不整脈」の部分でわかりやすく解説します。その他,「生体侵襲」の部分では手術の侵襲について,教科書だけでは今一つ理解できなかったことが,少しでも自分のものになるように一緒に学びましょう。特に人工心肺を使用した手術後は,身体に様々な侵襲を与えます。そのため,患者の変化を見逃さないようにしなくてはなりません。看護は侵襲との戦いを後方支援する役割を担うため,原因や機序のポイントだけでも知っておく必要があります。その中に明日に役立つ看護のヒントが隠されています。
 今回,心臓血管手術にかかわる循環器内科・外科の看護師に“最低限これだけは知っておいてほしい”,“これを知っていれば日々の看護や管理に役立つ”など基礎的なことを中心にプログラムを組みました。若手看護師,新たに心臓血管外科・循環器内科に配属になった方,学び直しをしたい方にお勧めします!!


山中源治先生
東京女子医科大学病院 看護部看護学博士 急性・重症患者看護専門看護師
【講師からのメッセージ】
 循環器疾患に苦手意識を持っていたり、心臓血管外科・循環器内科に配属になり悪戦苦闘している方も多いのではないでしょうか。マニアックなことよりまずは基本を学びたい、先輩には “今さらこんなこと聞けない…”という方もいるかもしれません。そんな皆さんの痒いところに手が届く講義を目指します!

※会場は変更となる場合がございます。予めご了承ください。
【本セミナーの目標】
循環の基礎と正常がわかり,循環器疾患患者のアセスメントに活かせる
心臓血管外科術前・術後管理に必要な生体侵襲や不整脈,合併症を知る
心臓血管外科手術が適応となる疾患の特徴と看護がわかる

10:00〜16:30
オリエンテーション
1.循環動態とフィジカルアセスメント・肺循環と体循環,左心系と右心系...何が違うの?・バイタルサイン変化の読み解き方を教えて!・フィジカルアセスメントを循環器患者に役立てたい!
2. 不整脈・正常な脈って何?・今さら聞けない...不整脈の基礎
3. 急性循環不全・そもそも循環不全ってなに?・どういう機序で循環不全になるの?
4. 生体侵襲・生体への侵襲ってどういうこと?・人工心肺が体に及ぼす影響って何?
5. 循環器疾患各論I・弁膜症の術前と術後管理の違いを教えて・バイパス術後の合併症って何?
6. 循環器疾患各論II・大動脈瘤や動脈解離についても知りたい!
7. 肺動脈カテーテル・肺動脈圧や肺動脈楔入圧で何を評価しているの?
8. 本日のおさらい
9. 質疑応答・まとめ
※上記内容・進行予定は,変更する場合があります。