HOME看護セミナー >今,在宅に求められるストーマケア
 2025年,日本は超高齢化社会を迎え,65歳以上の高齢者人口は約3500万人(人口比 約30%)に達すると推計されています。この超高齢時代に向けて,多くの医療職・介護職の方が「在宅ケアを充実させなくては…,でも具体的にどうすればいいのだろう?」という漠然とした不安を持っていることと思います。
 2010年に実施された社団法人日本オストミー協会の第7回生活実態調査報告書においても,ストーマ保有者の70歳以上が62%を占めています。また,生活上抱えている問題や悩みとして「ストーマの管理ができなくなった場合の不安」「老齢化で寝たきりや半身不随になること」「災害時のストーマケアの補給」が上位を占めており,ストーマ保有者自身も在宅でのストーマケアに大きな不安を抱えています。
 講師は30年以上にわたって大学病院でストーマケアに携わってきましたが,東日本大震災をきっかけに,2014年4月より「地域における皮膚・排泄ケアの向上」を目的に在宅に活動を移行しました。大学病院では,「東北地区のストーマケアの質の向上」を目標に,ストーマ保有者に術前から生涯にわたるストーマケアを提供する一方,講習会や研究会,地域医療者を対象とした公開講座等を意欲的に開催してきました。
 しかしながら,実際の在宅の場では,病院でのケアが不十分で便漏れや皮膚障害に苦悩するストーマ保有者,フォローアップ体制が整備されていないために行き場のないストーマ保有者,問題があっても気軽に相談できないストーマ外来,在宅医療者・介護職者の知識・技術の不足により装具交換がやっとの継続ケア,ストーマがあるだけで入所できない施設など,さまざまな問題が山積しています。これらの現状を踏まえ,早急に解決すべき課題として,病院におけるストーマケアの質の確保,長期的なフォローアップ体制の見直し,病院と地域医療者との連携強化,地域医療者・介護職者の教育体制の整備,災害時の支援体制の整備が急務と考えます。
 本セミナーでは,「今,在宅に求められるストーマケア」と題し,在宅におけるストーマケアの現状と課題を明確にし,課題に対する解決策を具体的に解説したいと思います。
 ストーマ保有者が人生の時々に必要な最高のストーマケアを受けられるよう,明日からのストーマケアに生かしていただければ幸いです。皆様のご参加をお待ちしています。


熊谷英子 先生
むらた日帰り外科手術・WOCクリニック 統括看護部長 皮膚・排泄ケア認定看護師
【講師からのメッセージ】
 2025年の超高齢化社会に向け,在宅ケアの質の向上が叫ばれています。私達が日々実践している「ストーマケア」は,本当にストーマ保有者の安心につながっているのでしょうか。本セミナーでは,在宅におけるストーマケアの現状を述べ,「今,在宅に求められるストーマケア」について参加者の皆様と一緒に考えてみたいと思います。きっとあなたが成すべきストーマケアを見出すことができると思います。

※会場は変更となる場合がございます。予めご了承ください。
【本セミナーの目標】
在宅におけるストーマケアの現状と課題が理解できる
今,在宅に求められるストーマケアが何かを理解できる
課題を解決するために必要な方策を理解できる
明日から自分が実践すべきストーマケアを見出すことができる

9:30〜16:30

Section1:在宅におけるストーマケアの現状と課題

Section2:在宅ケアを見据えたストーマ装具選択

Section3:在宅につなぐセルフケア指導

Section4:ストーマケアに求められる地域医療連携

Section5:在宅医療者・介護職者の教育体制の整備/ストーマケアにおける災害対策
※上記内容・進行予定は,変更する場合があります。
WOCNursing
15年2月号
WOCNursing
15年5月号
WOCNursing
16年4月号
WOCNursing
16年6月号