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月刊レジデント14年1月号
レジデント8月号
16年7月11日発売
AB判136頁
価格:本体¥2,000+税
ISBNコード:978-4-287-81101-6
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特集研修医が知っておくべき呼吸器疾患
企画編集/喜舎場朝雄
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目次[PDF 特集[PDF 連載[PDF 連載[PDF
 呼吸器疾患は感染症から悪性疾患まで分野が多岐にわたる.日本の人口の高齢化に伴い増加している慢性閉塞性肺疾患,男性のがん死の主な原因である肺がんなど,呼吸器内科医師の役割は増々大きくなると予想される.
 そこで本特集は,初期研修医から若手の呼吸器内科専門医を主な対象として呼吸器領域で12の重要な疾患を選択し,呼吸器診療の第1線で活躍している先生方に疑うポイント,診断のプロセス,鑑別疾患などを中心にわかりやすく解説いただいた.
 まず,肺炎球菌に関しては市中肺炎で最も多く,予防から問診の重要項目,身体所見,培養や尿中抗原,治療などについてふれてもらった.次に非定型肺炎のうちマイコプラズマ肺炎について疫学,臨床経過の特徴,身体所見,診断方法,胸部画像所見,治療などを解説してもらった.そして肺結核について疫学,病態生理,臨床経過での疑うポイント,身体所見で注意すべき点,胸部画像所見の特徴,喀痰培養・PCR,クウォンティフェロン,治療などに触れてもらった.インフルエンザウイルスは冬場の呼吸器疾患の主役であり知っておくべき知識,予防から発症時の対応まで解説してもらった.また,診断上の限界,重症例を見逃さないポイント,他疾患との鑑別のポイントなどについて触れていただいた.
 次に気管支喘息は一般人口の3〜5%にいるといわれ,問診の重要性がとくに大切なことから若い先生方にも診断のポイントがわかるように病歴での必須項目,急性期の身体所見の特徴,うっ血性心不全や慢性閉塞性肺疾患などの鑑別点,診断後の急性期および慢性期の治療管理などについてふれてもらった.そして喫煙歴のある高齢男性に多い慢性閉塞性肺疾患について疫学,主要症状,とくに重要な身体所見の解説,診断基準,胸部単純写真でのポイントなどについて身体所見に力点をおいて解説してもらった.以上の2疾患と類似点が多い気管支拡張症については病歴での疑うポイント,身体所見,胸部単純写真での特徴,治療管理,感染予防対策などについて解説してもらった.
 肺がんは日本のがん死の上位を占め,胸部異常陰影の捉え方,問診での重要項目,身体所見で転移を示唆する注意すべき点,胸部CT検査の活用方法などについてふれてもらった.
 特発性間質性肺炎のうち代表的な特発性肺線維症を中心に臨床症状,鑑別をするうえでの職業歴,膠原病の可能性,薬剤歴などに関する詳細な問診の重要性,大切な身体所見,提出すべき血液検査,胸部単純写真での疑うポイント,肺機能および胸部CT検査の意義などについて解説していただいた.皮膚筋炎関連間質性肺炎は日本の急速進行性間質性肺炎の中で重要なので取り上げた.注意すべき身体所見,病勢や治療効果を判定するうえで大切な血液検査項目,肺機能,胸部画像所見での重要な所見,初期治療などについて解説してもらった.
 肺高血圧は臨床の現場でしばしば遭遇し一般的な分類,呼吸器疾患で肺高血圧の合併を疑うポイント,重要な血液検査,心臓エコー検査,心臓カテーテル検査,治療薬などについて触れてもらった.最後に肺血栓塞栓症を取り上げた.これは高度の呼吸不全での重要な鑑別疾患であり,リスクファクター,疑うポイント,心電図,胸部造影CT検査の意義,治療などについて解説してもらった.
 本特集が若手医師の呼吸器診療の大きなバイブルとなり,多くの患者のよりよい社会復帰につながることを願っている.
喜舎場朝雄
(沖縄県立中部病院 呼吸器内科 部長)
特集研修医が知っておくべき呼吸器疾患
1. 肺炎球菌性肺炎/野山麻紀・石田 直
2. マイコプラズマ肺炎/皿谷 健
3. 日常診療で肺結核症を見つけるコツ/朝倉崇徳
4. インフルエンザウイルス感染症/知花なおみ
5. 気管支喘息/原永修作
6. COPD/山城 信
7. 気管支拡張症/石浦嘉久・笠原寿郎・藤村政樹
8. 肺がん/富永正樹
9. 特発性間質性肺炎/新井 徹
10. 多発性筋炎・皮膚筋炎に関連した間質性肺炎/渡辺知志・早稲田優子
11. 肺高血圧症(PH)/倉石 博
12. 肺血栓塞栓症/鍋島正慶・則末泰博



連載
◆患者さんとの接し方
 ・第96話 パーキンソン病とゴルフ−患者さんのユーモア………星野達夫
ピンチの研修医………編集/岡田 定
 ・第23回 血液ガス分析……矢崎 秀
◆循環器内科 目からウロコ Q&A
 ・第5回 ジギタリス……田宮栄治・村川裕二

お知らせ
連載「慶應循環器内科カンファレンス」は弊社の都合により休載とさせていただきます。楽しみにしていただいた読者の皆様に,深くお詫び申し上げます。

訂正文
レジデント2016年8月号において,以下の箇所に誤りがありましたのでお詫びして訂正いたします。

・2章 マイコプラズマ肺炎 19ページ 下から3行目
 (誤)⑥末梢血白血球数が10万/μL
 (正)⑥末梢血白血球数が1万/μL

皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。