HOME雑誌レジデント > レジデント15年11月号
月刊レジデント14年1月号
レジデント11月号 SOLD OUT
15年10月13日発売
AB判144頁
価格:本体¥2,000+税
ISBNコード:978-4-287-81092-7
全ページカラー印刷
特集血液疾患−症候から診断,治療までの道筋−
企画編集/神田善伸
画像をクリックするとサンプルをご覧いただけます
特集[PDF 特集[PDF 連載[PDF 連載[PDF
 本特集は血液疾患の特集である.「血液疾患」という四文字は研修医の皆さんに対してどのようなことを想起させるだろうか.「難しい」?「近寄りたくない」?「こっちこないで!」?「やめてー」?あまりよいイメージはないかもしれない.たしかに血液疾患は診断も分類も治療も複雑で,取っつきにくい印象はあるかもしれない.しかし,実際に病棟で活躍しているレジデントの皆さんが体験する血液関連の異常は,白血病やリンパ腫のような重篤な疾患ばかりではなく,むしろ貧血などの検査値異常やリンパ節腫脹などの身体所見が多いのではないだろうか.
 そこで,この特集は「血液疾患」という枠組ではなく,「血液関連の異常」に幅を広げて,入り口は日々の診療の中でしばしば遭遇する症候とした.すなわち,最初の4項目にとりあげた貧血,出血傾向,白血球増多,リンパ節腫脹である.これらの鑑別診断を考える能力は将来どのような診療科に進むとしても必要になる.
 次の2項目は少しマニアックな分野になるが,血液系の特殊な検査の読み方の勉強である.ただ,白血球分画については研修医の皆さんにとっても必修項目であろう.
 残りの項目は「血液疾患」の治療となる.化学療法のレジメンを研修医の皆さんが決定するというような場面は想定しにくいが,指導医から指示されたレジメンが,なぜ選択されたか,そして,それを実施していく中でどのようなことに注意すべきかについて,ぼんやりとしていた目の前が明るく開けてくることだろう.とくに化学療法の合併症対策は研修医の皆さんにとって最重要課題である.
 執筆は研修医の皆さんからみて,お兄さん,お姉さんに相当する先生方に依頼したつもりである.もし,どこかでお会いすることがあったら,気軽に声をかけてみてほしい.実際に会ってみて,「お兄さん?おじさんじゃん?」なんて思うことが万が一あったとしても,それは決して口に出してはいけない.心の中で思うのも禁忌であろう.お兄さん,お姉さんと思い込むことによって,彼ら,彼女らも執筆の裏話などを含めて,活字にはできないようないろいろなことを教えてくれることであろう.
神田善伸
(自治医科大学附属病院・附属さいたま医療センター 血液科 教授/臨床研究支援センター長)
特集血液疾患−症候から診断,治療までの道筋−
1. 貧血の鑑別診断/大西 康
2. 出血傾向の鑑別診断/錦井秀和
3. 白血球増多の鑑別診断/澤山 靖
4. リンパ節腫脹の鑑別診断/宮崎香奈
5. 末梢血白血球分画や骨髄検査結果をどう読む?/小野孝明
6. フロー・サイトメトリーによるマーカー解析・染色体分析をどう読む?/磯部泰司
7. 播種性血管内凝固症候群(DIC)の診断と治療/大森 司
8. 急性白血病の分類と化学療法/笠原千嗣
9. 悪性リンパ腫の分類と化学療法/島田和之
10. 骨髄腫の分類と化学療法/山本 豪
11. 化学療法の合併症対策/新田英昭
12. 輸血の実施と合併症対策/原口京子



連載
◆患者さんとの接し方
 ・第87話 認知症患者さんとの接し方 −患者さんの中に居るもうひとりの本人……星野達夫
ピンチの研修医………編集/岡田 定
 ・第14回 消化管出血………岡本武士
◆慶應循環器内科カンファレンス………監修/福田恵一
 ・第48回 好酸球性心筋炎の一例……村田光繁
◆みるみるわかる心血管のはなし
 ・第8回 右心不全か左心不全か?………田宮栄治・村川裕二
◆Toxicovigilance−毒を診る−……監修/水谷太郎
 ・第28回 よく似ているけどちょっと違う………阿部智一