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月刊レジデント11年6月号
レジデント6月号 SOLD OUT
2011年5月10日発売 AB判
価格:本体2,200円+税
ISBNコード:978-4-287-81039-2
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特集水・電解質,腎病理から学ぶ腎臓の魅力
企画編集/吉田篤博
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特集 特集 連載 連載
 前回「レジデント」(2008年9月号)に腎臓の特集が掲載されて以来,2年が経過した。そこで,筆者が新たに腎臓の特集を企画するにあたり,前回語られなかった部分について光を当てることにした。今回,電解質においてはリン異常と尿酸異常について,腎代替療法においては腹膜透析(ハイブリッド治療を含めて)と腎移植療法(とくにABO不適合移植)について,治療においては腎疾患に広く利用されるステロイド治療,降圧療法,食事療法について触れたいと思う。
 2007年に『CKD(慢性腎臓病)診療ガイド』(東京医学社)が刊行されたが,最近,いくつかの問題点が指摘されるようになった。これはCKDの概念が全国に普及し,いくつかのエビデンスが出てきたことによる結果と考えたい。この問題点を解決しつつ,さらにCKDの概念が改正されていくものと思われる。
 尿中L-FABPは2010年に新しく保険収載されたストレスマーカーであるが,従来の尿中アルブミンが糸球体の評価指標とすれば,L-FABPは尿細管の評価指標として今後の日常臨床に広く使用されると思われる。
 また,腎臓の大切な仕事に水の管理があるが,これは腎臓がひとりで行っているわけではなく,心臓との共同作業が肝要である。心不全症例において腎不全がしばしばみられるが,同じ心不全でも右心不全と左心不全ではその病態が大きく異なる。右心不全あるいは左心不全の腎臓への影響,治療方針などの違いについても触れたいと思う。研修医の先生方には前回の特集と併せて勉強してもらうと、より腎臓に興味を持ってもらえるだろう。
吉田篤博
(名古屋市立大学 人工透析部/医療・福祉地域連携室病院教授)
特集水・電解質,腎病理から学ぶ腎臓の魅力
………………………………………………………………………企画編集/吉田篤博
目 次
1. 電解質(1)リン異常………………………………………………重松 隆
2. 電解質(2)尿酸異常………………………………………………石川 勲
3. 心不全(1)左心不全と腎…………………………………………大手信之
4. 心不全(2)右心不全と腎…………………………………………武田 裕
5. 心腎連関…………………………………………………………伊藤貞嘉
6. 腎病理(1)微小変化群…………………………………………長田道夫
7. 腎病理(2)IgA腎症………………………………………………片渕律子
8. 移植………………………………………………………………高橋公太
9. 新しい検査法:尿中L-FABP……………………………………木村健二郎
10. CKDの問題点……………………………………………………安田宜成
11. 治療(1)ステロイド療法…………………………………………吉田雅治
12. 治療(2)降圧療法………………………………………………吉田篤博
13. 治療(3)食事療法………………………………………………兼平奈奈
14. 治療(4)腹膜透析療法…………………………………………鈴木洋通

連載
◆ヤバレジ〜だれもが最初はヤバレジだった〜 ………………監修/岡田 定
  ・第15回 呼吸困難入門
   〜息がとっても苦しいんです〜 
  ・ヤバレジ脱出チェックシート……………………………………山野泰彦
◆患者さんとの接し方
  ・第34話 患者の価値観を尊重する 〜がん治療を拒否した肺がん患者の話 ………星野達夫
◆基本臨床手技
  ・第25回 胸骨圧迫……………………………………………寺島裕夫