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月刊レジデント10年10月号
レジデント2月号 SOLD OUT

2011年1月10日発売 AB判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-81035-4
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特集救急外来で疑うべき電解質異常
企画編集/ 岩田充永
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特集 特集 連載 連載
 突然だが,読者の皆さんに以下の質問に"イエス""ノー" で答えてほしい.
1. 徐脈でショックの患者を診たら,ただちにぺースメーカー 挿入のために循環器医をコールする.
2. 心室性不整脈は,電気ショックやアミオダロン,リドカイ ンといった抗不整脈薬のみが治療手段である.
3. 血液検査で電解質の値が正常であれば電解質の補正は必要 ない.
4. 低カリウム血症による四肢麻痺の症状を呈している場合 は,急いでカリウム値を補正するべきである.
5. 高ナトリウム血症の場合,輸液は5 %ブドウ糖液で開始す るべきである.
6. 救急外来で低ナトリウム血症を診たら,高張食塩水で輸液 を開始するべきである.
7. 電解質異常は,血液検査をしないかぎり発見できない.
8. 電解質異常と脱水が存在している場合は,電解質異常の治 療を優先して行うべきである.
9. 血糖値が800 mg/dlの患者を診たら,最初にすべきことは 血糖値の補正である.
10. 敗血症の治療では,なによりも抗菌薬の早期投与が重要で ある.  
 上述の10 個の質問に対してひとつでも"イエス"と答え られた方,本特集は皆さんのために企画されたものである. ぜひ熟読してほしい.一方,すべての質問に"ノー"と答え られた方は,救急外来で遭遇する電解質異常に対する初期対 応はすでに合格レベルかもしれない.ただし,本特集は皆さ んの知識の確認や整理のためにも企画されているため,ぜひ 読んでほしい.皆さんが同僚や後輩に電解質異常に関してレ クチャーするときにも有用な資料となるはずである.
 電解質異常への対応や輸液治療は,どの科の医師になって も必要となる基本中の基本の領域であるにもかかわらず,臓 器別に専門分化された内科研修のなかでは,どの科をローテー トしてもきちんとした教育を受けない狭間に陥ってしまう危 険がある分野である.また,日々の救急診療のなかで心血管 救急や外傷などに比べて派手さが少なく,「採血検査をしたら たまたまみつかった」というくらいの脇役のようなイメージ で捉えられていることが多いのではないだろうか? このよう な理由から,あいまいな知識のままで間違った対応がなされ ていても,修正されないで過ぎ去ってしまう危険がある.
 本特集では,臨床・指導の両面において超一流であるスー パー臨床医の先生方に,救急外来で遭遇する電解質異常で陥 りやすいピットフォールについて非常にわかりやすく解説を お願いした.本特集が電解質異常に関する正しい知識の啓発 に役立つことを心から願っている.
岩田充永
(名古屋掖済会病院 救急科 医長)
特集救急外来で疑うべき電解質異常……企画編集/岩田充永 

特集にあたって……岩田充永
【I. 総論】
1. 電解質異常を疑うべき症状,身体所見……徳田安春
2. 電解質異常を疑うべき心電図所見……奥村貴裕
3. 血液ガスを読む……越後谷良介
4. 救急外来における細胞外液量の評価
〜この患者の細胞外液量は不足しているか?……長谷川耕平
【II. 救急外来における輸液療法】
1. 救急外来における輸液の基本……大野博司
2. 輸液が大切な疾患(1)
 糖尿病性ケトアシドーシス,非ケトン高浸透圧症候群……岩田充永 他
3. 輸液が大切な疾患(2)
 敗血症……大野博司
【III. 救急外来における電解質異常の診断と治療】
1. 高ナトリウム血症の鑑別と治療……田中 拓 他
2. 低ナトリウム血症の鑑別と治療……田中 拓 他
3. 高カリウム血症の鑑別と治療……藤田芳郎 他
4. 低カリウム血症の鑑別と治療……藤田芳郎 他
5. カルシウム,リン,マグネシウム異常への対応……脇坂達郎
【IV. 医療従事者が知っておくべきこと】
日常診療で遭遇することが多い医原性電解質異常……山中克郎 他


連載
◆主要徴候別ER診療の実際
……企画・司会/三宅康史
  ・第23回 手術適応となる腹痛……上山裕二
◆ヤバレジ〜だれもが最初はヤバレジだった〜……監修/岡田 定
  ・第11回 〜けいれんへのアプローチ「てんかんの患者さんが来たんすよ」
   「けいれん=てんかん」にあらず〜  
  ・ヤバレジ脱出チェックシート……山口典宏
◆患者さんとの接し方
  ・第30話 がん病名の伝達(4)
   告知を受けたがん患者からの質問?患者の話をよく聞こう……星野達夫
◆基本臨床手技
  ・第21回 腹腔穿刺……寺島裕夫