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レジデント
レジデント12月号 SOLD OUT

2009年11月10日発売 AB判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-81021-7
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特集高齢者薬物療法のエビデンスと注意点
編集企画/秋下雅弘,大内尉義
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特集 特集 連載 連載
 おそらく産科,小児科を除けば,ほとんどの診療科で高齢者の診療は避けて通れない時代になった。では,多くの医師は本当に高齢者の特性を理解しているであろうか? 高齢患者を診てきた経験だけで高齢者の診療ができると思い込んでいないだろうか? この点は処方内容からも点検できる。つまり,用量や薬剤数の調節に際して,合併症から身体・心理状況や生活状況に至るまで配慮しているかどうか,その痕跡を辿ることで推測できる。それほど高齢者の薬物療法は重要であり,米国の高齢者医療に関する医学部教育でも最優先事項に位置づけられている。
 これまで高齢者の薬物療法は,多くの場合,若年成人における臨床試験の結果や使用経験を基に,その延長として実践されてきた。しかし,若年者に有効性の高い薬剤であっても高齢者では適当でないことがしばしばある。実際,高齢者では薬物の代謝・排泄能低下や多剤併用を背景として薬物有害事象が出現しやすい。つまり,若年者と同じ型どおりの方法では高齢者に適当でないばかりか,患者からの理解もまったく得られない。
 本特集は,高齢者薬物療法に関する最新の考え方をまとめる目的で構成された。高齢者で薬物有害事象や服薬管理上の問題が多発することを受けて,日本老年医学会では2005年に「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を発表しているが,今回の特集では,そのなかから高齢者診療でよく遭遇する項目を選び,それぞれのエキスパートに執筆していただいた。高齢者薬物療法のエッセンスであり,一読することでスキルアップにつながると確信する。
秋下雅弘
(東京大学大学院医学系研究科 加齢医学 准教授,東京大学医学部附属病院 老年病科)
大内尉義
(東京大学大学院医学系研究科 加齢医学 教授)
特集高齢者薬物療法のエビデンスと注意点……編集企画/秋下雅弘,大内尉義
特集にあたって……秋下雅弘,大内尉義
I. 薬物有害作用を避ける工夫
1. 薬物動態の加齢変化と処方量の調節……灘井雅行
2. 多剤併用の回避と慎重投与薬のリスト……秋下雅弘
3. アドヒアランスと服薬支援 葛谷雅文
II. 老年症候群の治療薬と薬剤起因性老年症候群
1. ふらつき・転倒……神崎恒一
2. せん妄……水上勝義
3. 排尿障害(頻尿・尿失禁)……上山 裕・堀江重郎
4. 誤嚥性肺炎……大類 孝
III. 高齢者における予防薬のエビデンスと展望
1. 降圧薬……勝谷友宏
2. 脂質低下薬……荒井秀典
3. 抗血栓薬……江頭正人
4. 骨粗鬆症……細井孝之
5. 認知症……冨田尚希・荒井啓行

連載
◆診察を極める!Dr.古谷のあすなろ塾

  ・第14回 スクリーニング診察を極める!(前編)……古谷伸之
◆主要徴候別ER診療の実際
  ・第9回 在宅医療……岡田晋吾・三宅康史
◆患者さんとの接し方
  ・第17回 患者への話し方を工夫しよう12
       -患者に,自分が重要な存在だと感じさせる……星野達夫
◆デキレジ〜聖路加チーフレジデントがあなたをデキるレジデントにします……野村征太郎
  ・第21回 「生活習慣病に対応できるようにしよう!」
       〜生活習慣病のある患者へのアプローチ〜……監修/岡田 定
  ・レジ力判定チェックシート
◆子供なんてコワくない!子供の診察のコツ
  ・第20回 乳幼児健診の診どころ……早川 浩
◆研修現場でEBMを実践しよう
  ・第18回 ボンフェローニ補正……福井 謙・南郷栄秀・名郷直樹
◆はじめての症候診断-臨床決断のセンスを磨こう-
  ・第7回 操作特性を診断に生かす……前野哲博