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急性期看護実習ガイド
福岡山王病院 消化器センター長,国際医療福祉大学 教授
壬生隆一 編集
九州大学大学院医学研究院 保健学部門 看護学分野 教授
川本利恵子 編集
2011年4月10日発売
B5判/272頁 2色刷
価格:本体2,400円+税
ISBNコード:978-4-287-12100-9

急性期・周手術期看護の全体像が見える!

◎日々刻々と容態が変化する急性期の患者さんのケアに必要な知識と実践力が身につく
◎豊富な写真やイラストレーションにより外科治療の全体像が把握できる
◎主要なクリニカルパスを収録,入院から退院までのケアの流れがわかる
◎大学病院の第一線で活躍中の指導的医師や看護師・看護教員による分担執筆
◎病院で臨地実習を行う看護学生さんや,外科治療の現場に不慣れな新人看護師さんにおすすめ


巻頭言
 急性期看護は,手術を受ける患者さんを対象に,入院から退院までを安心して過ごせ,合併症なく経過するための援助を目的としています。日々刻々と変化する患者さんのケアを行うためには,多くの知識と実践力が問われます。患者さんは手術の前日か数日前に入院して,手術を受けて1〜2週間後には退院していきます。看護師は入院した患者さんの医学的状態をすばやく電子カルテ上で理解して,コミュニケーションをとり,看護診断を行って,術前のケアを短期間で行う必要があります。また,術後は手術法を理解したうえでケアを提供し,円滑に退院へと導いていかなければなりません。退院時には退院後の生活について指導を行う必要があります。近年の医療は激しく変化していますが,外科治療の現場でもこのように在院日数の短縮化,内視鏡外科や移植医療などの高度先進医療の発達・普及,電子カルテや新しい医療機器の導入などにより状況が随分変わり,忙しい中で医療事故を防ぐことに傾注し,学生や新人の教育を行う余裕がなくなってきました。また,高齢社会を迎えて慢性疾患を持つ人が多くなり,クリニカルパスを用いても入院から退院までのケアをスムーズに行うにはかなりの熟練が必要になります。しかも,看護師にはさらに高度化,専門化した知識や技術が求められています。しかし,このような全体像を把握し,看護学生や新人看護師が入院から退院までのケアをイメージできる急性期看護に関する成書は少ないのが現状です。

 本書は,病院の外科治療の現場で臨地実習を行う看護学生や,外科治療の現場に不慣れな新人看護師が,外科治療の全体像を把握して実習や実践の場での道標として活用できるよう,大学病院の第一線で活躍中の指導的医師や看護師・看護教員に分担執筆をお願いしています。本書で取り扱っているのは,外科的治療の中で術前・術後の急性期看護の基本や多く経験する疾患に関する看護の知識です。医師の方々に基本的な医学的知識や最新の治療について執筆していただき,その分野の看護に詳しい指導的看護師や看護教員に入院から退院までの看護ケアを記述していただき,看護研究のテーマとなりうる事項を挙げてもらっています。看護学生や新人看護師の方々の参考になれば無上の喜びです。

 最後に,本書の出版を企画していただきました株式会社 医学出版,ならびに編集を担当していただいた同社の月岡春奈氏に感謝申し上げます。

2011年3月
壬生隆一/川本利恵子


本書の内容
目次
〔総論〕
(1)術前
 1)術前看護の目的
 2)術前看護の基礎知識
 3)手術前のアセスメント
 4)術前検査
 5)術前オリエンテーション
 6)一般的な術前処置
 7)手術室への引継ぎ
 8)インフォームド・コンセント
(2)術後
 1)術後看護の目的・基礎知識
 2)全身状態の管理
 3)基本の創傷ケア
 4)主な術後合併症の予防のための援助と発症時の対応
 5)退院に向けての生活指導

〔各論〕
(1)消化器系の疾患
 1. 胆石症
 2. 胃癌
 3. 食道癌
 4. 結腸癌
 5. 膵臓癌
 6. 直腸癌・ストーマケア
 7. 炎症性腸疾患
 8. 肝癌
(2) 内分泌系の疾患
 1. 乳癌
 2. 甲状腺癌
(3)呼吸器系の疾患
 1. 肺癌

〔付録〕急性期看護の基本技術
1 パルスオキシメーターのモニタリング
2 輸液療法
3 酸素療法
4 体位ドレナージ法(排痰体位)
5 口・鼻腔吸引
6 気管内吸引
7 人工呼吸器
8 創傷管理(ドレッシング交換)
9 ドレーン留置(ドレナージ)の管理
10 早期離床
11 術後せん妄
12 術後疼痛管理

〔索引〕