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これで納得!画像で見ぬく消化器疾患 vol.3小腸
シリーズ総編集:渡辺 守
(東京医科歯科大学大学院 消化器病態学 教授)
編:大塚和朗
(東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部 教授)
B5版●168頁●全頁カラー
ISBN978-4-287-11202-1
定価 本体8,800円+税
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【本書の特徴】
・第1巻より写真がより大きくなったシリーズ最新刊
・選りすぐりの鮮明な画像を1200点以上掲載
・経験豊富なエキスパート執筆陣がずらり
・臨床ですぐに使える知識や画像診断のコツから応用的知識まで1冊で網羅



【vol.3 巻頭言】
 『これで納得!画像で見ぬく消化器疾患』も第3巻となった。本シリーズは,研修医や消化器専修医を対象に,エキスパートの先生方にご執筆いただき解説していただいている。上部消化管の第1巻,大腸の第2巻は大変すばらしい。日常遭遇する疾患の画像がよくまとめられていて,読むと腕が上がったように感じられる。
 本巻は少し毛色の違うものとなったかもしれない。基礎的なことのみならず,かなりまれな疾患まで取り上げることになった。これまで診断がつかないまま長期に悩んでいた患者さんが,実は小腸疾患であり,きちんと治療をすることにより良くなる,ということは少なからずある。「上部下部に異常はありませんから病気はないです。気のせいでしょう。」などといわれて,いわゆる経過観察をされていた時代もあった。だが,消化管には,十二指腸と大腸の間に空腸と回腸がある。ただの管ではない。消化吸収の主役であり,免疫臓器としても重要である。食道も胃も大腸も全摘は可能であるが,小腸は全摘すると経口摂取は不可能となる。これほど重要な臓器であるが,疾患はそれほど多くはない。不可欠な臓器であるため,病気を起こさないようなさまざまな機構が備わっているのであろう。さりながら,疾患はある。頻度は低くても,罹患した患者さんにとっては重大な疾患である。
 消化器は,画像診断の役割がきわめて大きい。上部消化管や大腸は,内視鏡の進歩によりルーチンの分野となってきた。一方小腸は,これまで内視鏡が到達困難であったため,まだまだ分からないことがたくさんある部位である。山本博徳先生が開発したバルーン内視鏡,イスラエルから発表されたカプセル内視鏡,この2つが2000年に登場するまでは,小腸は「消化管の暗黒大陸」と呼ばれ,深部小腸をカラーで見ることは,術中内視鏡など,大変な負担を要するものであり,決して頻用されたとはいえなかった。いまや日常的に小腸観察が可能である。これまで見られなかった画像が得られるようになってきた。とはいうものの,小腸は病変を見ることそのものも課題となっている領域であるため,機器についても解説していただいた。内視鏡の役割は大きくなってきているが,他の画像診断方法も重要である。所見は,みつけようと思わなければ,みつからない。あると思って探すことによって見えてくるのである。なんか変だな,これは異常所見ではないのか,と感じたとき,本書がその解決の糸口になるといいなと思う。無理なお願いもしたが,ご執筆いただいた先生方には貴重な画像を提示していただいた。これほど多数の画像のある小腸の本は少ないと思う。他の巻と合わせて参照していただければ幸いである。
 最後に,大変お忙しい中で,ご執筆いただき,貴重な画像と素晴らしい原稿を寄せていただいた諸先生方,そしてこのような機会を与えてくださった渡辺 守教授,企画制作編集,そして発刊まで大変なご尽力いただいた医学出版の長谷川成美さん,松原しず花さんに心から厚く御礼申し上げます。
大塚和朗
東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部 教授



【目次】
●A 正常小腸と診断機器
01正常所見/02 カプセル内視鏡(CE)/03 バルーン内視鏡(DBE)/04 バルーン内視鏡(SBE)
05 小腸透視/06 エコー/07 CT/08 MRI

●B 炎症性疾患
01 クローン病(CD)/02 腸管ベーチェット病・単純性潰瘍/03 非特異性多発性小腸潰瘍症
04 小腸結核/05 エルシニア腸炎/06 NSAIDs潰瘍/07 虚血性小腸炎/08 アレルギー性紫斑病
09 Cronkhite−Canada症候群/10 好酸球性小腸炎/11 放射線性小腸炎/12 小腸移植片対宿主病(GVHD)/13 UCの小腸病変/14 Whipple病/15 Celiac病/16 吻合部潰瘍

●C 腫瘍性疾患
01 小腸腺腫/02 原発性小腸癌/03 転移性小腸癌/04 悪性リンパ腫/05 GIST/06 小腸カルチノイド(NET)/07 Peutz-Jehgers症候群/08 Cowden病/09 Inflammatory Fibroid Polyp(IFP)
10 Pyogenic granuloma/11 異所性膵/12 小腸脂肪腫/13 血管腫/14 リンパ管腫

●D 血管性疾患他
01 血管拡張症小腸血管性病変/02 Rendu-Osler-Weber病/03 小腸憩室(メッケル他)
04 寄生虫(無鉤条虫)/05 アミロイドーシス/06 異物/7 腸石