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HEART 15年3月号
循環器ナーシング 2016年5月号

2016年4月25日発売
A4変型判
価格:本体 2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-86057-1
全ページカラー印刷

特集1一から学ぶ!PADの病態・治療・ケア

企画編集/河原田修身

特集2循環器疾患患者の術後せん妄のマネジメント

企画編集/竹原 歩,小野博史
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特集1一から学ぶ!PADの病態・治療・ケア
 「PADの患者さんのどのようなことに気をつければいいのか?」「足の傷はどうすればいいのか?」など最近よく耳にします。急速に進む高齢化や食生活の欧米化とともに,PAD患者数は増加の一途を辿っています。我が国ではPAD患者が約100万人,その半数は無症状,そして症状の有無にかかわらず心筋梗塞や脳梗塞といった重大なイベントを発症するリスクが高いといわれています。また間欠性跛行の進行はQOLを低下させ,潰瘍壊死といった重症虚血肢では下肢大切断のリスクになります。
 今や,PADは循環器領域の重要な疾患概念になっています。PADを“全身血管病の窓”としてとらえ,早期に診断し内科的治療を行うことで将来の心筋梗塞や脳梗塞,下肢イベントのリスクを軽減できます。また内科的治療で下肢症状の改善が得られない場合には,積極的な治療としてカテーテル治療や外科的治療があります。フットケアも潰瘍壊死の予防や創部完治のために欠かせません。本特集によって,日々皆さんが抱いているPADに対する疑問が解消され,より一層質の高い看護が実践されることを期待します。
河原田修身
(国立循環器病研究センター 心臓血管内科 医長,兵庫医科大学 非常勤講師)
特集2循環器疾患患者の術後せん妄のマネジメント
 術後せん妄は,精神症状を主体とする術後合併症の1つです。患者自身にとって苦痛な症状であるだけでなく,患者の病態像やQOLの悪化,転倒などのアクシデント,在院日数の延長などにつながるとともに,長期的には医療費の高騰や死亡率の増加を招くことが知られています。とくに循環器医療の臨床でみられる術後せん妄は,高齢で,疾患の重症度が高い患者が多いからこそ,医師・看護師を最も悩ませる病態像の1つとなっています。
 本特集では,3つの異なる視点から,術後せん妄のマネジメントを取り上げます。
 1つ目は精神看護の視点です。術後せん妄が引き起こす精神症状による苦痛を緩和し,患者のセルフケアの向上や安全管理を検討するうえで,精神看護の考え方は,とても役に立ちます。
 2つ目は術後の精神機能の回復という視点です。術後の精神機能は,身体機能と同じように低下しており,時間をかけて回復していくものであると考えられます。術後の精神機能の回復過程を意識しておくことは,よりよい術後せん妄のマネジメントを検討するうえで,とても役に立ちます。
 3つ目はクリティカルケア看護の視点です。術後せん妄が身体機能の回復と密接に関係している以上,術後せん妄のマネジメントに関して,クリティカルケア看護の視点は必要です。
 以上の異なる視点から,専門家の先生方にご執筆をお願いしました。内容が多彩で盛りだくさんですので,じっくりと読み進めていただき,明日からの臨床実践に取り入れていただけたら幸いです。

竹原 歩
(兵庫県立大学看護学部 生涯広域健康看護講座 精神看護学 助教)
小野博史
(兵庫県立大学看護学部 看護基礎講座 助教)
特集1一から学ぶ!PADの病態・治療・ケア
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循循環器診療におけるPADの重要性/東森亮博
PAD診断のための検査〜血流検査・画像検査〜/市橋成夫,吉川公彦
PAD治療の実際/全 完
実践!フットケア/中屋貴子
特集2循環器疾患患者の術後せん妄のマネジメント
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診断基準,治療指針に基づくせん妄のマネジメント〜精神看護専門看護師の立場から〜/井箟理江
術後せん妄の発症時期から考える症状のとらえ方と視点/小野博史
術後せん妄のマネジメントの実際/高田弥寿子