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HEART 13年11月号
Heart 2013年12月号 SOLD OUT

2013年11月15日発売
A4変型判
価格:本体 2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-86028-1
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特集一から知りたい!もっと知りたい!
心臓移植・補助人工心臓の看護ケア

企画編集/絹川弘一郎
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 本特集では心臓移植と補助人工心臓治療をとりあげました。ステージDと呼ばれる薬物治療抵抗性の重症心不全患者にとって,心臓移植とそれに至るブリッジとしての補助人工心臓治療は,ほぼ唯一生命予後を改善させることがはっきりしている治療手段です。ただし,我が国の心臓移植は,諸外国と比較してきわめて少数のドナーのもとで施行されている現状があり,待機日数は3年近くになります。つまり,目の前の重症患者に対して直接的に治療手段となりえないので,ブリッジ治療として補助人工心臓治療がどうしても必要となります。とくに2年前に保険償還された植込型補助人工心臓は,それまでの体外設置型補助人工心臓と異なり退院可能になり,患者さんのQOLもずいぶんよくなってきました。しかし,自宅復帰にはさまざまな点をクリアすることが必要になります。体外設置型補助人工心臓の場合は,移植待機中の数年間は入院生活を強いられ,患者さん本人は大変つらい時期を過ごしていましたが,医療者のケアが毎日受けられるという利点がありました。一方,植込型補助人工心臓を装着して退院するとなると,患者さん自身とその介護者(多くはご家族ですが)のケアの質が問われてきます。したがって,植込み術後から十分な教育指導を患者さんと介護者に対して行うことがとても重要になります。
 植込型補助人工心臓が保険償還されて,その成績がきわめて良好でありQOLも優れているとはいえ,体外設置型補助人工心臓治療がなくなっているわけではありません。どのような局面で必要なのか,そして最新の管理ケアはどうなっているのかについても,学ぶ必要があります。また,貴重なドナーから附託を受けたレシピエントには,その心臓を大切に守って生きていく義務があるはずです。そのために,移植後の生活指導や服薬管理といった面でのコーディネーターの役割は大変重要です。
 本特集では,我が国を代表する先生方に,心臓移植ならびに補助人工心臓治療に対してどのような取り組みをされているのか,ご披露いただきたいと思います。とくに応用編として,体外設置型補助人工心臓装着後,植込型補助人工心臓装着後,そして心臓移植後に合併症その他で治療に難渋し,それをどのように克服していかれたかについてご紹介いただく章を設けました。実際の症例に基づいたケアの流れを体験できると思います。
絹川弘一郎
(東京大学大学院 医学系研究科 重症心不全治療開発講座 特任教授)
特集
1.どんな患者さんが心臓移植登録の対象になっているのですか?/瀬口 理
2.補助人工心臓にはどのような種類があるのですか?/大谷朋仁
3.補助人工心臓の適応となる患者さんについて教えてください!/今村輝彦
4.体外設置型補助人工心臓のケアについて教えてください!/遠藤美代子
5.植込型補助人工心臓の退院プログラムについて教えてください!/久保田 香,萩原邦子
6.心臓移植後の生活指導や外来での注意点について教えてください!/堀 由美子
7.症例について教えてください!1)体外設置型補助人工心臓治療中の患者さん/加賀美幸江
8.症例について教えてください!2)植込型補助人工心臓治療中の患者さん/山中源治
9.症例について教えてください!3)心臓移植後の患者さん/秋場美紀