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HEART 12年10月号
Heart 2012年10月号 SOLD OUT

2012年9月18日発売
A4変型判
価格:本体 2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-86014-4
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特集循環器ナースの押さえドコロ!
   心不全の治療とケア【急性期編】

企画編集/眞茅みゆき
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目次 連載 特集 連載
 心不全患者の再入院率は依然として高く,再入院の予防対策は,心不全医療の大きな課題です。さらに高齢患者の増加は,治療の困難さやケアの負担を増大させ,心不全医療の新たな問題となっています。再入院の予防には,患者の自己管理能力の向上や適切な支援体制の整備,加えて定期的なフォローアップが重要であり,臨床現場では,専門外来,心臓リハビリテーション,疾病管理プログラム,遠隔モニタリング,地域連携パスなど,さまざまな取り組みがなされています。このような取り組みの共通した特徴は,患者が抱える多様な問題を包括的にとらえながら,体系的かつ効率的な治療・ケアシステムとして運用していることです。このような流れのなか,以前にも増して,医師以外の医療専門職である看護師,薬剤師,理学療法士,作業療法士,栄養士,臨床心理士,社会福祉士,ケアマネージャーなどの専門性が重視され,協働して患者の問題に取り組むことの重要性がクローズアップされています。
 心不全の病態が複雑であることに加え,薬物治療,デバイス治療など治療法が多岐にわたるため,心不全ケアに携わる専門職には高度な知識が要求されます。また,心不全患者の医学的・心理的・社会的問題は,それぞれが影響し合いながら,複雑に絡み合っています。そのため,患者の視点に立ったケアの実施には,病態,治療,ケアの知識を統合させ,患者個々の問題を細やかにとらえていくことが必要です。
 今回の特集では2回にわたって,心不全の急性期と慢性期において,それぞれケアを行う際に求められる病態や治療の基本的知識を,心不全治療の専門家にわかりやすく解説していただきました。また,ケアの実際については,今年誕生した慢性心不全看護認定看護師をはじめ,日々心不全ケアに取り組む看護師の皆様に,ケアの理論的背景,ケアの実際について解説していただいています。とくに,心不全ケアに取り組み始めて間もない看護師や,自分の知識・技術を再確認したい方に読んでいただきたい内容となっています。
 心不全の治療,ケアは日々進歩しています。また,心不全ケアの課題も多く残されています。今回の特集が,新たなケアの課題に取り組むきっかけとなり,日本の心不全ケアの質の向上につながることを期待しています。
眞茅みゆき
(北里大学看護学部 看護システム学 准教授)
特集
【総論】
1.心不全の分類/眞茅みゆき
【各論】
1.急性心不全の病態の理解/青山直善
2.急性心不全における薬物治療の実際と最新知見/石田洋子,佐藤直樹
3.急性心不全ケアにおけるフィジカルアセスメント/山内英樹
4.心不全急性期における呼吸管理の実際/佐藤麻美
5.心不全急性期における補助循環装置の管理の実際/守谷千明,山中源治
6.急性心不全ケアにおける心理的支援/松岡志帆
7.心不全急性期におけるせん妄のアセスメントとケア/竹原 歩
8.入院早期からの心不全患者指導の実際/山部さおり
9.心不全急性期における多職種チームによる患者管理の実際/林 亜希子

連載
・読み取るチカラを伸ばします! エコトレ〜心エコー図 読み方トレーニング〜
第1回 壁運動異常から責任血管を推察しよう!/合田亜希子

・循環器ナースのための!ガイドライン読解塾〜ガイドラインを理解し,患者支援に活かす〜
第2回 循環器疾患における末期医療に関する提言/高田弥寿子