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美容皮膚医学BEAUTY 68号
美容皮膚医学BEAUTY 68号(Vol.9 No.3, 2026)

特集●乾癬の治療とケア

企画編集:森田明理
発行:2026年7月(2026年7月15日発売)
判型:A4変型
頁数:72
ISBN:978-4-287-91068-9
定価:4,400円(本体4,000円+税10%)

特集にあたって

 乾癬は,紅斑と鱗屑を主徴とする慢性炎症性皮膚疾患であり,患者の外見やQOLに大きな影響を与えることから,一般の皮膚科のみならず美容皮膚科でもしばしば対応が求められる疾患である.かつては難治性の代表的疾患とされていたが,近年では外用療法の改良に加え,光線療法や生物学的製剤,さらには分子標的内服薬の登場により治療の選択肢が広がり,個々の患者に応じた柔軟な対応が可能となってきた.とくに,寛解導入後のスキンケア指導やQOL支援は,皮膚科医の役割が大きくなる領域でもある.
 乾癬は見た目のインパクトが大きく,社会生活や就労,学校生活などにおける心理的・社会的ストレスとも密接に関わっている.患者の多くは「人に見られること」への不安や,「治らない」という誤解による無力感を抱えており,そのような患者に寄り添った対応は医師にとっても大きなやりがいとなる一方,専門的な知識と適切なケアのスキルが求められる.
 本特集では,乾癬の基本的な理解から,日常診療でよく遭遇する皮疹の見分け方,外用薬の塗布方法や部位別の工夫,スキンケアの実践,さらには女性や妊婦の患者への配慮に至るまで,幅広いテーマを扱った.乾癬治療の進歩についても,生物学的製剤に加えて2023年に登場したTYK2阻害薬を含む内服治療や,頭部・爪乾癬への対処法など,最新の情報を簡潔かつ実践的に解説している.また,患者の心理的サポートや医療者とのコミュニケーションといった「人として向き合う」視点にも注目し,より包括的な乾癬診療の在り方を提示している.
 とくに注目したいのは,部位別・病型別の治療アプローチを各分野の専門家にご執筆いただいた点である.たとえば,頭部乾癬では洗髪のコツや外用剤の使い方を,爪乾癬では鑑別診断とネイルケアの留意点を,光線療法では美容医療との親和性と導入ポイントをわかりやすく紹介している.また,看護師によるスキンケア指導や,患者との信頼関係を築くための会話術など,日常診療にすぐに役立つ視点を取り入れた.
 今後ますます重要になるのは,治療効果だけでなく「満足できる医療体験の提供」である.本特集が,読者の皆様の診療の一助となり,乾癬患者の外見的・心理的負担の軽減と,よりよい医療との出会いにつながることを願っている.

森田明理
(名古屋市立大学大学院 医学研究科 加齢・環境皮膚科学分野 教授)

目次

  1. 総論:乾癬とはどんな病気か/西田絵美
  2. 皮膚科でよくみる乾癬の皮疹およびその鑑別/日野亮介
  3. 乾癬の治療とケアで「患者のQOLを考えた治療選択」/鎌田昌洋
  4. 乾癬の外用療法の基本とコツ/常深祐一郎
  5. 光線療法:心と美容診療との親和性について考える/燒リ佐千代
  6. 注射・内服による全身療法:最新の選択肢/萩野哲平
  7. 頭部乾癬とそのケア/馬屋原孝恒
  8. 爪乾癬の診断と対処法/安田正人
  9. 女性・妊婦の乾癬診療/鶴田紀子
  10. 乾癬患者とのコミュニケーション/橋本由起